横瀬 PISAテストは、経済協力開発機構(OECD)による国際的な生徒の学習到達度調査のことです。日本も2000年から調査をしていますが、最近その成績が低下しているということで、学力低下が問題だと騒がれたりしています。
私たちは、テストというと、問題が紙に印刷されていて、それを解く。そして、そのスコアが高いか低いかで学力が高いのか低いかと考えていると思います。
しかし、当たり前ですが、テストというものはテストとして提示できるものしか、テストできません。テストで図ることができないものは、テストから外してしまっています。
それが悪いということではなく、それは限られた範囲の達成度、アチーブメントが分かるということだということなのです。
しかし、我々はテストで評価をするということが多く、それ以外の評価というものが分からなくなってしまい、テストで高い点数が取れるということが学力が高いということだと取り違えてしまっています。このことが問題なのです。
たとえば、 The knife I hold in my hand cuts well. という英文を読んで、関係代名詞でナイフを修飾していて、「私が手に持っているナイフはよく切れる」と訳すことができる。こういうことが分かれば学校では十分であるということになっているんです。Theをちゃんと付けられるかどうかとか、holdがhadだったらどうなのかとか、主語がどれか、動詞がどれが分かるとかそういうことが大丈夫かどうかということです。