教育の理念
すべての学びは、哲学に向かう。
暁星国際中学校・高等学校
ヨハネ研究の森コースの
教育理念をご紹介します。
未来の学校 ヨハネ研究の森コース
ヨハネ研究の森は、21世紀の人材に求められているコミュニケーション力・論理的思考力・創造力・問題解決能力を形成するコースとして、2001年4月に開設されました。これらの能力を、子どもたちが現行の学校制度の中で自ら培うことは、一部を除き、多くの場合きわめて困難で、教育観・学習観そのものの再考が叫ばれてきました。
ヨハネ研究の森コースは、このような時代の申し子のように登場してきました。学習者がまるで期末テストや受験のためにのみ学習することが「学習」であると錯覚している現在の学校から脱却した新しい学びの場、それが「ヨハネ研究の森コース」です。
一般に行われている細切れの時間割を極力なくし、教科単位に分離されている現在のカリキュラムを、リベラルアーツの観点から、自然科学、社会科学、人文科学、情報科学のように統合されたものとして位置づけ、学習の主要メディアをなす言語をカリキュラムの根幹に据えた新リベラルアーツ学習を目指します。
新たな「学びの共同体」として
また、今までの教える側(先生)と教わる側(生徒)の関係も一旦解体し、先生も生徒も学び手(研究員)として存在する学びの実践共同体でもあります。
現実の世の中では、「習った範囲から問題が出る」ことや、「あらかじめ正解が用意されている」ことなど滅多にありません。むしろ唯一正しい答えなど無い中で、どのようにして道を切り拓いていくのかと容赦なく難題を突き付けてくるのが世の中だとすれば、そういう中で、存在感を発揮しながら誇りを持って生きていくことのできる力を身につけさせていくことこそが未来の新しい学校の役割だと考えます。
「学力」とは、そもそも何か?
「学力」とは読んで字のごとく、「学ぶ力」のことです。テストで良い点数を取ることが「学力がある」ということではありません。むしろ、習ったこともない、正解すらあるかどうかわからない状況下で、気の利いたアイディアや独自の仮説を出せる人こそが本当の意味で「学力がある人」と言えるのです。
人間は、言葉を持ったことによって、歴史上のことや、宇宙の彼方のことなど、実際に見たり聞いたりすることができないものについて知ることができるようになりました。ほかの動物は宇宙の彼方に思いを巡らすことはできません。
学ぶ力を磨くということは、言葉を介して、物事を深く考えたり、想像したりする力を磨いていくことにほかなりません。教科書に書かれている内容を鵜呑みにすることではないのです。
ヨハネ研究の森では、教科書以外にも様々な書籍に触れたり、専門家の話を聞いたりして、その本の書き手や話し手は本当のところ何を言いたいのかを検証していきます。そのことに見当をつけるために、「要約」や「パラフレーズ」という手法を駆使して、自分の言葉で表現する訓練を徹底して行っています。
「習ったとおりにする学習」では得られなかった「学ぶ喜び」を、「自分の頭で考える学習」の中で、生徒たちは思う存分に手に入れていきます。
このような考え方を取り入れる日本で唯一の学校、それがヨハネ研究の森です。