3日目夜、松下政経塾の塾生5名(30〜35歳まで)によるパネルディスカッションが行われた。塾生の皆さんがそれぞれなぜ自分が松下政経塾に入ったのかを語られ、それに対する質疑応答や議論が2時間半に渡って行われた。子どもたちにとって夢を持ち、それを実現することを自分の生きる哲学で実践している姿は、とても新鮮に見えたようである。
 それを見ている私たちヨハネ研究の森スタッフにとってもっともうれしかったことは、参加した子どもたちの中でヨハネの研究員生が、松下政経塾の皆さんの夢や考え方を自分の考え方と重ね合わせて、共有できる部分・批判的に見る部分を見事に聞き分けながら自分の意見をつくりだしているということです。
 研究員がヨハネ研究の森で得た姿勢のいったんをご紹介しましょう。

■ヨハネ研究の森研究員 高1

 夜のパネルディスカッションでは、松下政経塾の方々の話をうかがった。終了後もいくつか質問をした。これらの話の中で思ったのは、世界の人々に尽くそうという気持ちや「最大多数の最大幸福」といった行動理念が皆さんには共通している、ということだ。はっきり言ってこのことは不思議に思う。果たして「最大多数の最大幸福」は本当に正しいのだろうか? 論理的にはそうだが、個人的にはどうも納得がいかない。まだ、未熟で浅はかな為かもしれない。しかしそれこそいちがいに「最大多数の最大幸福」が、それも感情的に良いとは言えないと思う。だからと言え、これを排してしまったら、政経の諸学問が破綻してしまうだろう。重要で公平な考えであるのは確かだ。しかし、これを松井氏の言われたように諸学問を見直すときに同時に検証し、21世紀型の視点で見た「最大多数の最大幸福」と「政経学」を提示する必要があるのではないだろうか。

■ヨハネ研究の森研究員 中1

 松下塾の人が幸せというものは、個人個人違うとかなんとかいっていたような気がしました。僕が思う幸せというものは、お金がいっぱいあったり、大きな家とかに住めるというようなものは、僕は幸せとはいわないと思います。そうではなくて「愛」だと思います。なぜかというと、お金がいっぱいあって親と子供が全然愛がないより、お金がなくても愛や心があったほうがよっぽど幸せだと思います。

■ヨハネ研究の森研究員 中2

 あと、今日の夜間学習の時、松下塾の方が来られましたが、これもとても重要な話だと思います。今は少し、塾=受験という見方があると思っていたので、このような塾は少し新鮮でした。大きな志を持つというのと、共同意識として社会を「変えたい」という意識があるという事をとてもすごいと思いました。そして5人の方の志や、小・中・高の時の話などを聞いていて、「自分に何ができるのか、何がしたいのか。」というのが一番重要なのではないかと思いました。この事を教訓にして、自分が何をできるのか考えていきたい
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