広島県私立中高校長会の先生方がヨハネを訪れました
 21日、広島県私立中高校長会の校長先生たち20名がヨハネ研究の森コースの見学に来られました。
 クラブハウスに集まり、生徒達の歌でお迎えをしました。
 続いて校長先生から暁星国際学園を30年前に始めたこと、地球のリーダーを 育てようとしていること、インターナショナルコースを始めたこと、そして6年前に ヨハネ研究の森コースを開設したことを話されました。
 ヨハネ研究の森コースでは美しい人間を育てることが目標であると言われました。
 この6年間で考える、読む、書く、プレゼンテーションするということが当たり前にできるようになって いることと、その力を使って東北大、九州大、聖マリアンナ医科大等に進学できるという成果が 出てきたことを話されました。
 続いて、横瀬先生からヨハネとはどういう教育観に基づいて行われているかのお話がありました。
「先ほどの合唱は生徒達が自分達で選曲し練習しています。ヨハネは『学び』の共同体です。 私たちは学ぶことを通して生きています。従来の学校教育は『学ぶ』ことの一部分でしかありません。 『学ぶ』ことの一部でしかないという、このことをとらえ直す事から始めました。 そして文科省の枠組みをはずして取り組むことを考えました。そこで研究開発校の申請をして許可されました。
 私たちは学ぶ時、書き言葉を使っています。ヨハネの基本に一日に起きたこと、学んだこと、経験したことを 自分の言葉で捉え直すことがあります。「今日の学び」を毎日書いていきます。全員で討議形式のセッションを しますが、その時でもメモを取る音が響きます。東工大の教授も、東大の教授も、井上ひさしさんも 驚いていました。このメモを取ることができなければ、ヨハネ生とは言えません。
 次に本を読んでいきます。少ない子でも年に100冊、多い子では300冊に及びます。本を読んだ内容を まとめて行きます。これができるようになるとプレゼンテーションができるようになります。今年、大学に 進学した生徒が、教授の前で講義録を取りそれを渡して喜ばれたという話を聞きました。
 ヨハネではバイリテラシーと言って、日本語でいま言ったことができるようになるのが基本ですが、 これを英語でもできるようにしていきます。このことは、外国の大学に進学するときの基本能力になります。 バイリテラシーという言葉も研究開発申請書に入っています。
 ヨハネではこれだけではありません。ヨハネ生は規律がきちっと身についています。このことは 因数分解ができるよりも大切なことです。礼儀正しければどんな人からも学ぶことができるという基本姿勢です。 人は一人で存在しているのでなく、他人と一緒に生活しています。ここは寮生活です。当然ながら 小競り合いがあります。でも、この小競り合いすらテーマにしていきます。何日でも何故こういうことが起きるのか 検討していくのです。これが道徳となっています。
 「すべての学びは哲学に通じる」という言葉を校長先生から頂きました。この考えはリベラルアーツと言えます。
 通常の教科学習は一人一人、個人ベースで行っていきます。
 ことばについてですが、夏のサマースクールでは東工大の丸山教授が英語ができるようになるためには、たっぷりとあびるほど読まなけ ればいけないと生徒達に話していました。井上ひさしさんも、小説が書けるようになるには世界全集を全部読んで その中から気に入った人を見つけ、その人の作品を全て読むようにと言われていました。
 このような学習環境だから先生は、ヨハネでは主任研究員といいますが、たいへんな毎日です。主任研究員も学ぶ ということが重要なのです。従来の徒弟的学び、模倣する、中心になる学ぶ人がいて周辺参加してくるのです。
 これらのヨハネの学習環境は部分的にはどこの学校でもやっていることだと思います。でも、ヨハネでは 全てを捉え直して、全体としての取り組みを徹底してやっています。」
 この後、ヨハネの研究室の見学に移りました。
 続いて、学園祭の展示をそのままにしていた第二体育館で、「ヘレンケラー」の展示を見て頂きました。 生徒達はどの校長先生にも丁寧に研究成果を説明していました。
 帰りのバス停までの間、一人の校長先生に感想を伺い、「小学生や中学生の小さい生徒さんまで 礼儀正しく言葉遣いもきちっとしているのに大変感動しました。」とおっしゃっていました。
 最後にマリア像前でヨハネ生全員が歌を歌い、訪問された校長先生たちをお見送りしました。


クラブハウスで


研究室の見学



ヘレンケラー展示の見学