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 ヨハネコースは一般の学習スタイルとは
違い、読書、レポート、討論(セッション)
を中心としたスタイルをとっています。こ
の学習スタイルを体験するために、入学志
望者を対象に「AO入試選抜講座」が開催
されています。この講座に参加することに
よって今までの学校で受けている授業とは
全く違った「学び」を体験してもらいます。
名前は受験者選抜と付けられているものの、
まずはヨハネコースを体験、実感するとい
うことが目的です。
 11月23日、「ヨハネ研究の森」でAO入
試選抜講座が開催されました。この講座の
体験レポートをお送りします。
 当日、選抜講座に参加した生徒は小学4
年生から中学3年生までの11人でした。
 選抜講座の研究テーマは大陸移動説を提
唱した「アルフレッド・ウェゲナー」です。
このテーマに沿ってコーディネータ(進行
役)の大下先生が講座を進めて行きました。
 最初に全員で自己紹介を行い、講座のテ
ーマについて概要を把握するために全員で
資料の輪読をしました。続いて、資料の中
から読み取れたことを一人ずつ話してもら
いました。
 先生が、「資料には大陸が動くとあるけ
れど本当に動いていることを見たことがあ
りますか」という質問をします。それに対
して、実感として大地が動いているとはわ
からないとある小学生が答えます。続けて
「資料の中には地球の表面にはプレートが
あると書いてあるが、地球の構造がどうし
たらわかるのか。穴を掘ったのか、輪切り
にした人がいるのでしょうか」と質問しま
す。この質問に対して、中学生が持参した
本を見て意見を述べます。ところが小学生
は実感としてわからないので納得できない
と答えます。これまで得てきた知識では説
明が理解できません。理解できないので新
たな疑問点が生まれます。
 この講座では、疑問に対して先生が結論
を出すのではなく、資料の内容に対して疑
問を持ち意見として述べる。それでも納得
できないので、また別の意見を述べる。話
題が単なる「ウェゲナー」の生涯に留まら
ず、地質学、地球物理学、物理学、古生物
学と次から次に展開していきます。この場
にいる全員で想像力を働かせて発言します。
疑問点は出るものの結論は出ません。
 昼食をはさんで午後からビデオを見て、
また、意見を出し合ってもらいました。
 その後、先生も4人に増え、先生同士で疑問点から回答、回答の中から新たな疑
問点を出します。回答に対して生徒が実感としてわからないと答えます。実例をあ
げてジェスチャーを交えて先生が回答します。次から次に広がっていく話題を通し
て想像力を喚起し、知性を刺激して発言になっていきます。テンポ良く進む討論に、
長時間集中して生徒が釘付けになり話を聞いています。
 講座の終わりに「ウェゲナー」を通して話し合ったことで、単純に結論を暗記す
ることではなく、発生した疑問に対して調査する、さらに発生した疑問に対して調
査する、そして、各自が自分なりに仮説のモデルを立ててみる、このようなプロセ
スがヨハネコースの「学ぶ」行為なのだと説明されました。「本を読む」、「人の
話を聞く」、「文章にまとめる」、「発言する」ことが学習の原点なのだという横
瀬先生の言葉で講座が締めくくられました。
 講座が終了して教室を出て行った後、また戻ってきて、今日の講座に感動したと
感想を述べてくれた生徒がいました。
 この講座に参加した生徒たちは全員、ヨハネコースの学習スタイルの、従来のも
のとの違いに驚きを得て、興味を持ってくれました。
 この体験講座を見学して、想像以上にテーマの広がり、レベルの高さに驚きを隠
せませんでした。これだけの内容であれば、講座で一日を過ごすだけで「学ぶ」ス
タイルに変化が出ることと思いました。参加した生徒の表情が、講座が進むにつれ
て生き生きとしてきたことがとても印象的でした。

取材&体験レポート:目面靖浩(栃木県黒磯市 小2生を持つ父親)