ヨハネ通信

ヨハネ研究の森の日々をお伝えします。

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「聖ヨハンナ寮(ヨハネ女子寮)」歳時記

涼しい夜風が青々とした葉の香りを運んでいく爽やかな5月の矢那の森に、どん、と太鼓のような音が轟きました。続いて、どん、ともう一発。夜間学習が始まる前、「聖ヨハンナ寮」(ヨハネ女子寮)内の研究室で、心を合わせて夕のお祈りをしていた私たちは、思わず顔を見合わせました。
「何だろう?」
「花火じゃない?」
まさか、と思いましたが、皆で駆け出して窓際に集まると、東の空に大輪の花火が上がり、研究室は一斉に歓声に包まれました。私たちの学び舎が、赤に青に、緑に白にと照らされています。花火があがるたび、木の枝の上で揃って歌をうたう小鳥たちさながら、口々に喜びの声を上げました。階下から聞こえる兄弟たちのテノールとバスパートの歓声もまた、私たちヨハネの共同体らしい多彩な大合唱。
「なぜ今の季節に、しかもここで花火が上がるんだろう」
皆であれこれと思いを馳せ、私たちはある仮説を立てました。
この日は広島でのサミットが幕を開けた日でした。それと時を一にして上がったこの花火は、世界中から日本へおいでになった国の代表の方々の思いが重なり、平和を創ってゆけるよう冀う、祈りの花だったのではないでしょうか。
花火は何百、何千と夜空を彩っていきます。伝統的な大車輪に、ハートや惑星の形、様々なバリエーションに皆の笑顔が弾けました。
ぱたりと音が止み、「もう終わりかなあ」と寂しげな声が聞こえるたび、またすぐに大小の花が咲き、あたたかな色の火花が星のように流れていきます。皐月の矢那の空いっぱいに花火が咲き誇るという奇跡を、この場でともに分かち合うことのできた喜びと、祈りに溢れました。

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