ヨハネ通信

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世界の扉を開けて:模擬国連参加レポート

今回は12月に行われた模擬国連に参加したヨハネ生の感想を
ご紹介します。

ごきげんよう。
私はこの度、模擬国連(Model United Nations:MUN)にオンラインで
参加いたしました。

私はかねてより世界の国々の成り立ちや歴史に関心があったので、
またとない学びの機会だと感じ、飛び込むように参加を決意しました。
当初は模擬国連がどのような場なのかもわからず、会議が
オールイングリッシュで行われることへの不安もありましたが、
とにかく場を楽しむという心意気のもと、研究室のみなさんと共に
時間をかけて検討し、先生方にも支えていただきながら準備に
向かうことができました。

今回の模擬国連では、私はイスラエルの大使をさせていただきました。
「子どもの権利」について、①質の高い教育、②飢餓をゼロに、
③平和と公正、という議題に沿って3つのブロックに分かれました。
私たちイスラエルは①質の高い教育のブロックに割り振られ、
ブロックでのミーティングで条項案を予め作った後、2日間に渡って
開催される本会にて、条項について議論し、最終的な決議案を作成する
という流れで、会議が進んでいきました。

ブロックミーティングはカジュアルでしたが、本会は非常に格調高く、
形式を理解していなかった当初は、何が行われているのか、また次に
何が起こるのかが全く分からず戸惑いました。しかし意味が
わかってくると次第に、発言の際に必要な段取りや、会の進行が
見えてきました。模擬国連経験者の大使の皆さんが積極的に会議を
引っ張ってくださり、私もその姿から、どのように動くべきかを
学ばせていただいたように思います。

私は、模擬国連を通して、今までであったら立ち止まってしまって
いた壁を、ひとつ、思い切って乗り越えることができました。 

模擬国連では、各国大使が自国の政策についてスピーチを行う場が
あり、私はイスラエルの代表として、リサーチの中で浮かび上がった
国の立場をもとに、「質の高い教育」を広げるための政策を
組み立てていきました。長い迫害の歴史を経て、ユダヤ人のための
国家として始まったイスラエルという国は、未だに民族対立による
紛争問題を抱えており、複雑な立場にあります。私は次世代の
イスラエルを担う若者の立場となり、未来のイスラエルに思いを
馳せた時、違いを超えて、調和できるような社会づくりを目指せる
ようにしたいという願いを持ちました。

英語が得意なもう一人の大使と力を合わせ、何度も英語を確認して
もらいながら原稿を推敲し、練習を重ねました。こんなにも大人数の
方の前で英語でスピーチを行うのは初めてで、
とても緊張しましたが、皆さんに見守っていただきながら、
無事やり遂げることができました。研究室の先輩から
「堂々としていたし、熱意も伝わるスピーチで良かったね」
と声をかけていただいたときの喜びは忘れられません。

この体験を経たことで、挑戦できる機会を見つけた時は、
自分にストッパーを掛けずに向かっていくことができるように
なったように思います。私たちは勇気を出して動議を出し、
ある決議案に対する修正案を提案しました。英語で他国に
働きかけ、ヨハネ研究の森にいる他国大使とも連携して、
ブロックの異なる国々の賛同を募り、可決へと導くことが
できたのです。「協力」によって、思いが形になった瞬間でした。
修正案を提出するにあたってやり取りさせていただいた立命館の
先生が、「ベストをつくしてくれてありがとう」ということばを
掛けてくださったことは、深く心に残っています。
 
この模擬国連を経て、自分が日々続けてきた学びの、一段先への
飛躍を感じています。自分が大使として向き合ったイスラエルは
もちろん、これまで存在は知っていても、強く意識することの
なかった国々の直面する問題が、深く胸に迫ってくるように
なりました。この機会をいただけたことに深く感謝いたします。
そして研究員の一員として、この学びを皆さんと分かち合いながら、
これからも視野を広げ、学び続けてまいりたいです。

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