ヨハネ通信

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国際津波防災学会第5回総会に参加して(2/2)

前回に続いて昨年行われた国際津波防災学会第5回総会に参加した
もう一人のヨハネ生の感想をご紹介します。

「『言葉を持つ』という決意」

私はこの度の津波防災学会への参加を通して、「言葉を持つ」
ヨハネ生になろうと、決意を新たにしました。

学会では、第一線で津波や防災に関する研究をされている研究者の
方々に混じり、ヨハネ生の先輩が研究発表をなさいました。
ヨハネ研究の森では、2011年に「文明と天災」という
研究プロジェクトが始動し、以来10年間にわたって研究が続けられて
います。先輩はこの「文明と天災」研究を引き継ぎ、研究を重ねられて
きました。

私は大学、行政、企業の研究者が発表者に名を連ねる中に、
自分が日々、机を並べて共に学び、同じ釜のご飯を頂いている先輩が
たった一人の高校生でありながら、落ち着いて、そして自分の言葉に
確信を持って発表されるお姿に、胸を打たれました。

私は先輩の発表をはじめて聞いた時、災害についての研究なのに、
なぜ古代ギリシアに遡るのだろうと疑問に思っていました。しかし
先輩からお話を聞くうち、言葉によって「仮説を立てる」ということ、
そしてそれを「対話」によって人と分かち合うという、私達が普段
ヨハネ研究の森で大切にしてきている営みを、その文明の本質と
しているのが古代ギリシアなのだということを知りました。

私はヨハネ研究の森に入学するまで、自分の見聞きしたものや
感じたことを殆ど言葉にしたことがありませんでした。しかし、
主任研究員の先生方や先輩方と共に学び、言葉のシャワーを
かけていただく中で、次第に言葉を持つことの大切さに気付くように
なりました。学ぶことは、自分の中を通っていく漠然としたものに、
自分の手で言葉を与えることで、初めて成り立つのだということを
知ったのです。そして、言葉を介することによって、他者と世界を
分かち合い、光に向かって変わっていけるのだと気付いたのです。

人間は言葉を持つからこそ、愛や尊さを知り、喜びを分かち合い、
他者と同じ世界を見ることができます。古の人々が形にして残した
言葉から、時を超えて追体験することができれば、災害を経た人々が、
体験を言葉にして残し、その言葉から学び、実践につなげることが
できれば、自分が災害を体験したことがなくとも、生きた経験として
防災に活かすことができるのだと先輩はお話してくださいました。

私は、自らの学びと変容を研究に繋げ、学会という場で発表された
ことに美しさを感じました。そして先輩の見出した光が、学会の
先生方の心を打ったことにも、深く感動しました。

私も先輩のように、ヨハネの学びを生き方に繋げて参りたいです。

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