「ことば」と出会う学校
ヨハネ研究の森コースでは、学びと生活は一体であるべきものと
考えています。生活での気づきが、学びへと展開されることは
日常にございます。今回は、入学後の生活によって生まれた、
自分の成長に気付きその喜びを綴った研究員がおりますので、
ご紹介いたします。
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ヨハネ研究の森コースに入学して、1年半が経とうとしています。
ここで学んだことは、共に生活する先生や先輩や仲間たちに
「ことば」を使って思いを伝える、大きな価値とその喜びを
知ったことです。ヨハネでの生活は、面白さで倒れてしまいそうな
ほどで、楽しくならない方法がわからないほどです。是非
この経験をお伝えしたいと思います。
入学する前は、家族との生活やお友達との学校生活でも、
「ことば」について考えることはありませんでした。意思の
疎通は一言二言で賄えましたし、相槌だけで解決する場面も
多かったように思います。
しかし、ヨハネでは、寡黙で不機嫌になりがちな私のことを
心配して、先生や先輩たちが沢山話しかけてくれました。
対話が不得意でしたから、言葉に詰まってお返事できないことも、
気持ちを言葉にできない自分に腹を立てることもありましたが、
私がどれほど失礼な態度をとっても、先生や先輩たちは何度でも
向き合ってくださったのです。
入学当初は「好きなもの・嫌いなもの」などの慣例の話題から
始まった「私のことば」は、今では寮の季節行事を先輩たちと
ご一緒に企画させていただけるほど湧き上がるものになりました。
きっかけになったのは、皆さんと楽しい時間を分かち合いたいと
思うようになったことです。
「ことば」は、文法や単語を覚えたから生まれるのではなく、
伝えたい相手との出会いによって、豊かな思いが溢れ出て
「ことば」になるのだと思います。ヨハネ研究の森コースの
方々と出会えたことが、私の幸せです。この学園に入学させて
くれた家族に心から感謝しています。
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入学から一年間は戸惑いや不安がつきものですが、同じ道を
辿ってきた先輩たちは新入生を迎え入れることで、先輩らしく
なっていきます。上級生は「後輩が私を先輩にしてくれる」
のだと言います。この様にヨハネ研究の森コースは、重層的な
「共に学び合う共同体」であることを大切にしています。