丸山茂徳先生特別講演会「激甚化する自然災害の発生原因とは何か」
去る10月26日、ヨハネ研究の森セッションホールにて
丸山茂徳先生(東京工業大学・地球生命研究所特命教授)
による特別講演会が開催されました。
丸山茂徳先生には、これまで10年以上にわたって
ヨハネ研究の森を定期的にご訪問いただいており、
私たちは、先生の語る科学の最先端の話題に
常に大きな刺激を受け続けています。
今回の講演では、世界中で激甚化する自然災害の本質、
そして丸山先生ご自身の探究テーマである
「生命の起源」についてお話しいただきました。
丸山先生は、地球史規模で世界に起きてきた
気温や湿度の変化を、広くとらえていきます。
そして、その原因や、地表に降りそそぐ宇宙線には
太陽の活動が影響を及ぼすことに触れながら、
現在の地球がどのような状況にあるか、
私たちが直面する危機とは何かが語られました。
ヨハネ生や、ご参加いただいた保護者の方々も
この内容に大いに刺激を受け、質問も飛び交って
講義はどんどん熱を帯びていきます。
さらに、丸山先生のお話は、これからの時代に
私たちは何を学ぶべきか、というテーマへと
広がっていきました。
限られた地域から全世界へと、ボーダーレス化が
進む社会にあって、日本が直面する困難とは
果たしてどのようなものなのでしょうか。
そして、私たちがそれを乗り越えるために
必要なのは、一体どのような能力なのでしょう。
丸山先生のお話は、共同体のルールのあり方から
学校教育の本質、教科学習で身につけるべき力、
文化・文明論へと、実に幅広く展開されます。
ヨハネ生からの質問もこれに加わり、科学の本質、
知識を体系化することの重要性、
未来に発生する人類の危機など、
話題はとどまることなく続いていきました。
そして、生命の起源の解明と、それに伴い
人工生命学が人類に及ぼす影響へとお話は広がり、
いよいよ「生命の起源」へとテーマは進んでいきます。
「生命」に関する古典的定義を踏まえながら、
生命の起源の研究が、いかに学際的かを述べる丸山先生。
そして、古典的な定義にとどまらない、
永続する化学反応としての生命の姿が示されます。
それでは、生命の誕生する場がもつ条件とは何なのでしょう。
丸山先生の提案する新たな生命誕生場モデル、
さらには、それに至る段階的進化モデル、
生命のゆりかごとしての新たな地球モデル等々に、
参加者の驚きと質問は、尽きることがありませんでした。
休憩時間中にもヨハネ生たちの質問は止まらず、
活気に満ちた講演は、実に5時間にもおよびました。
いつも私たちに大きな知的刺激を与えてくださる
丸山茂徳先生に、心より感謝申し上げます。