セッション「共通語とは何か」
ヨハネ研究の森では、グローバル化の進展する世界で
私たちに必要となる「第二言語」の性質について、
これまで検討を続けてきています。
今回のセッションは、舞台「國語元年」を切り口に、
参加者それぞれが「共通語」に対する自分たちの
考えや疑問を出しあうことから始まりました。
一つの言葉から、誰もが同じイメージを共有するとは
どういうことなのか?
言葉を通して、私たちに歴史意識が生じてくるとは、
いったいどういう意味なのだろうか?
ヨハネ生の「ことば」に対する関心は尽きません。
そこで、コース代表の横瀬和治先生が、ご自身の体験を
踏まえながら、「共通語」の性質について語ってくださいました。
方言の成り立つ現場は、あくまで「話し言葉」の世界であり、
目の前に存在しないものは話の中で取り扱えません。
一方で、原子や歴史など、目に見えないものに触れるためには、
「書き言葉」が必要となります。
このような世界に触れることができるのはヒトだけであり、
「ことば」を通して、いまここには存在しない、
過去や未来にまで言及することができるのです。
それでは、「共通語」とは、私たちの「ことば」の世界の、
どこに存在するのでしょうか。
このテーマについて考えていくと、私たちが当たり前のように
使う「ことば」のすばらしさや、これから世界を舞台に
学んでいくにあたって、どのような言葉を身につけるべきなのか、
自然に感じていくことができます。
これからも、セッションを通じて、私たちはこの世界での
自らの生き方を考えていけるのだろうと、強く感じた
一日になりました。
また、今週のミサでは、ロザリオの月にあやかり、
ヨハネ生一同、ご聖品のロザリオをいただきました。
田川校長先生のお話と、聖歌隊の合唱が織りなすチャペルの
静謐な空気は、いつも私たちの心の支えとなってくれています。