セッション「学校とは何か」
ヨハネ研究の森では、主任研究員とヨハネ生が一同に会して行われる
「セッション」を通して、年間統一テーマの方向性を検討したり、
資料となる本や映像をいかに読み解くかを話し合ったりしていきます。
今回のセッションでは、皆が当たり前のように所属する「学校」をテーマに、
現代の民主主義社会で生きる私たちに求められる能力や、
人間が学ぶことの意味についての議論が交わされました。
話題は現代の学校の姿から始まり、江戸時代の藩校・寺子屋・私塾の
性質の違いと、日本の学校制度誕生の目的にまで及んでいきます。
江戸時代、多くの人々は生活範囲の中で必要な事柄を学んでいました。
しかし、明治維新後、日本が国民国家へと変化していく中で、西洋の
体系化された知識や技術を、一人一人が身につけねばならなくなります。
それは、日本人全員が、人類社会の蓄積を「ことば」を通して経験すると
いうことであり、「学校」とは、根本的にそれを行う場所に他なりません。
それでは、私たちが学校で学ぶべきことの本質とは、一体何なのでしょう。
あらゆる領域の知識と経験を総動員しながら、その場に参加した全員で
共有できる理解をつくり上げていこうとする「セッション」。
その熱気と、強烈な知的刺激に、全員が時を忘れて参加していました。
セッションの参加者は、お互いの対話の中で自分の視野が広がり、
理解が深まっていくことを全身で感じていたようです。
セッション終了後も、ヨハネ研究の森のあちこちで、
熱く自分たちの考えを語り合う姿が見られました。