
秀雲會・誕生寺日蓮聖人御降誕会での降誕能(2/2)
日蓮聖人の降誕日である2月16日、日蓮宗大本山誕生寺で開催された「御降誕祭」にて、ヨハネ生が企画運営した降誕能の様子についてレポートします。
夕闇が迫り、灯篭に明かりが灯るころ、日蓮聖人像のいらっしゃる祖師堂にて、祈りの空間が開かれました。能楽師の先生がたをお呼びすることが叶い、能楽師の先生がたによる能と仕舞が演じられました。
番組は、仕舞「西王母」「鵜飼」、能「雪」です。めでたく華やかな春の演目である「西王母」に、日蓮宗の法華経の功徳を説いて讃える「鵜飼」と「雪」の二曲が続きます。
能は仕舞と違い、シテ方と謡方だけでなく、他の登場人物であるワキ方、そして笛、小鼓、大鼓を奏でる囃子方、さらに小道具を出し入れするための働き方も加わります。そしてシテ方も、その演目に合わせた衣装を身につけ、面を着け、登場人物になり切って舞います。祖師堂にも、清廉無垢な白い雪の精が降り立ち、雪のように静謐に、美しく舞われていました。
能楽師の先生方による降誕能の後には、秀雲會から中高生による研修能も行われました。番組は、「熊野」「安宅」「小鍛冶クセ」「西王母」の4つです。この舞台に向け、一人ひとりの重ねてきたお稽古の集大成となりました。祈りの空間の中で、日本文化をより深く理解する機会をいただくことのできた、非常に貴重な経験となりました。改めて、感謝申し上げます。


