里山歳時記
今回は里山環境保全委員会と称して学園周辺のゴミ拾いに取り組んだヨハネ生のレポートを紹介します。
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皆様ごきげんよう、里山環境保全委員会です。
ヨハネ研究の森コースは里山の中にあります。ここでは実に様々な生き物たちが共に暮らしており、私たちも動物たちとばったり出会うことがあります。私たちの寝起きするヨハネ棟は山に面しており、朝起きるとイノシシが畑にやってきた痕跡が残されている、なんてことは日常です。皆でウォーキングをしていると、タヌキがひょっこり顔を出したり、木の上でリスが駆けたり、野ウサギが跳ねたりします。すぐそばを流れる小川の周りにはメダカやドジョウが泳いでいます。周辺には様々な昆虫が生息しており、梅雨前にはホタルが飛び交います。虫好きのヨハネ生が絶滅危惧種を捕まえたこともあります。
そんな里山を、ただ楽しむだけではなく、ヨハネ生の手で守っていきたい!という思いから発足したのが、この里山環境保全委員会です。今学期も終わりに向かう中、私たちはこの矢那の里山を愛する心を胸に、ゴミ袋とトングを手に、学園の外へと飛び出しました。鎌足直売所を中継地に、10km近くの道のりを周るロングロングウォーキングのコースを行きます。
学園前のバス停の方面に向かって矢那ダム沿いの道を歩いていくと、鎌足さくら公園の前を通って、坂をどんどん下っていきました。その道中で、次々とゴミが見つかります。日頃ウォーキングしている道で一番多かったのはペットボトルと煙草でしたが、誰が捨てたのか大通りの隅にミニカーがあったり、赤ちゃん用紙おむつが丸ごと捨てられていたりと、笑ってしまうような発見がありました。中にはタイヤや鉄パイプなど、持って帰ることの難しい粗大ゴミ級のゴミもあり、どこまでを行政に任せ、どこまでを私たちが担うのか、そんな議論も交わされていました。
到着した鎌足直売所。入口にあった椎茸の原木に皆の目が吸い寄せられます。「今度買って帰りたい」という声が次々に上がりました。
ここには地元の農家さんが持ってきてくださる、収穫したばかりの作物が沢山入荷しています。かぼちゃに柚子、林檎にかぶ、スーパーでは見たこともないような立派なサイズの大根といった旬の野菜や果物から、都心からも買い求めに来る人がいるという新鮮で濃厚な美味しい卵がずらりと並びます。さらには、地元のパン屋さんが焼いたふわふわのシフォンケーキや香ばしいラスク、木更津の海の幸を用いた干物、自家菜園用の種など、ここ木更津ならではの「食」と「農」の充実したとても楽しい場所です。
霧の立ち込めるような寒空を歩いてきた一行は、示し合わせたように焼き芋に手を伸ばしていました。ほくほくでねっとりした甘い焼き芋に、幸せが溢れてしまいます。アイスでさらに冷えた後に、アツアツの焼き芋で暖まる、という策士もいました。
直売所からの帰り道では、矢那の森を探検し、秘密のコースを開拓することもできました。道に詳しいメンバーの案内で、大通り沿いの道を逸れ、畦道を歩いていきます。昔ながらの里山の風景に、「トトロが出てきそうだね」と笑い合いました。道は馴染み深い矢那ダムの公園に繫がっており、驚きの声が上がりました。
2時間ちょっとのウォーキングでしたが、学園に帰ってくる頃には、拾ったゴミは70リットルの袋2つ分になっていました。達成感と共に、矢那の楽しく美しい里山のために、もっともっと自分たちの手でできることを重ねていきたいという思いを新たにしています。
これからも里山保全委員会として、皆で活動を続けてまいりたいです。