ヨハネ通信

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「聖ヨハンナ(ヨハネ女子寮)」歳時記(保護者会)

先月行われた保護者会で「ヨハネの学びの生活・女子編」の発表を行ったヨハネ生のレポートを掲載します。

◇ ◇ ◇

銀杏の葉が鮮やかな黄金色へと衣替えを済ませ、あちこちの木の葉が赤や黄色に染まりゆく、秋の深まる矢那の森で、保護者会が行われました。

「保護者会」というと、普段の授業を見に来てもらう、先生方と保護者が話し合うといった光景が思い浮かびがちですが、ヨハネにおける保護者会は、私たちすべての研究員が、主任研究員である先生方に沢山支えていただきながらも、自分たちの手で場を創り上げていくことを大切にしています。保護者会は、日頃私たちヨハネ生を信じて見守ってくださる保護者の皆様に、私たちが日々何を学び、何に取り組んでいるのかを伝える大切な機会でもあります。

私たちヨハンナ研究室は「ヨハンナの学びの生活」というテーマで発表させていただきました。親元を離れ、一つ屋根の下で中学1年生から高校3年生までが一緒に暮らすヨハンナの日常とは、一体何なのか。私たちは皆で対話を重ねながら、一人ひとりが、それをことばにしていきました。保共に食卓を囲んでいただく3食のお食事、20年も前から大切にされてきた、皆でお菓子を分かち合う喜び。それを通して、皆で家族になっていくこと。ヨハネの生活の中で「掃除」の意味が変わっていった仲間たち。生きることそのものと繫がった学びを続けていく中で、この場所は私たちにとって、かけがえのない居場所になっていきます。

迎えた保護者会当日、セッションホールには、朝早くにも関わらず沢山の保護者の方がお越しくださっていました。人前が苦手で
シャイな私は、前に立つと、緊張で足が震えてしまいました。しかしそんな中、私たちの妹たちが、普段寮内で行っているイベント企画の一幕を伝えるべく、絵本の登場人物になり切って、面白おかしく朗読してくれました。一斉に場が笑いに沸き、一気に和やかな
雰囲気に包まれました。身体を張って場を創り、自分の殻を一つ、大きく破ることのできた二人の、照れくさそうな、しかし堂々とした表情。私はとても勇気をもらいました。見渡すと、今まで私と同じように固くこわばっていた皆の表情がほころび、笑顔がこぼれて
いました。発表を聞いている他の研究室の仲間たちが、にこにこ聞いてくれたり、呼びかけに対して全力で応えてくれたりと、一緒に
場を創ってくれたことにも、胸を打たれました。

ヨハネでは、誰か一人が、自分だけの力で何かを進めていくのではなく、互いに支え合って、互いに気付きをもらい合って、一緒に楽しんだり喜んだり悩んだりしながら、生きていく力を育てていきます。この15分程度の発表にも、そんなヨハネらしさが溢れていたのではないかと思うのです。

今まで改めてことばにすることはなかった感謝や決意をことばにできたこと、そしてそれを、保護者の方がたに聞いていただけたことで、私たちの重ねてきた学びの足跡がより確かなものになったように思います。小さな一歩だけれど、大きな変化になっていく、そんな一瞬を、ヨハンナの一員として一緒に創ることのできた喜びを噛み締めつつ。

改めて保護者の皆様、いつも見守り、支えてくださり、本当にありがとうございます。

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