卒業生の声
 
 
 
|武田光隆(新)|早川太基(仙人)福島陽子鈴木珠生武田光隆(旧)APU生


武田光隆
  ヨハネ研究の森コース第3期生
  2006年3月卒業
  武田光隆くん
  東北大学理学部地球惑星科学科卒業
  東京工業大学大学院理工学研究科在籍
  (2010年10月現在)





私にとってヨハネ研究の森とは
 私にとってヨハネは、故郷である。勉学の故郷、生き方の故郷、心の故郷である。故郷を原点と読み変えてもよい。
私とヨハネの出会いのきっかけは、中学当時に通っていた私塾にある。当塾の塾長は、ヨハネの生みの親・横瀬先生と面識があり、海外の大学を視野に入れつつ進学先の高校を検討している中学3年当時の私に、横瀬先生とヨハネ研究の森のことを紹介して下さった。当時私は、中学生活に苦しんでいた。教室内の皆が同じ方向を向き、同じ速度で、同じ内容を学んでいく。自分のペースで学びたい私にとって、違和感ともどかしさの渦巻く環境だった。そうした一般的な学校での情況と、自分で学びを組み立てられるというヨハネの魅力とが、ヨハネへ歩を進める原動力となった。
 こうして、私は2003年度に3期生としてヨハネに入学し、高校3年間にあたる年月を、ヨハネ生として積み重ねた。
 私がヨハネで一貫して取り組んできたことは、基礎基本(教科書・演習書学習)である。これをおろそかにするわけにはいかないと信じていた。今もそう思っている。しかし、ヨハネは、それだけでは通用しない。ヨハネでは、教科書・演習書以外の学習素材−本、映像、レポート、他者とのやりとりその他−をも利用して知的訓練をする。ヨハネの外では出会えなかった学びのスタイルを発見し、自分の学びに取り入れて実践することで、自分の知的世界が拓けてくるのが実感として得られた。

大学に行って知ったヨハネのすばらしさ
 私は、大学に身を置くことで再びヨハネと出会った。私はヨハネで本当のところなにをしてきたのか、ヨハネで自分のものにしたといえることがあるだろうか、ヨハネ卒業生を名乗れるだろうか、大学では絶えずそのことを考えていた。だから私は大学で、ヨハネでしてきたことを何度も振り返り、自分の学びのスタイル、生き方を更新してきた。ヨハネは、私にとっていつまでも学びの対象である。それだけヨハネの根底に流れる思想・哲学をに気がつくこと理解することは難しいし、今の私でも不十分なのだ。
 それを前提とした上で、現段階で私が経験的解として発見しているヨハネの良さを述べたい。それは、「継続」である。私は、ヨハネで「基礎基本」「今日の学習」「ウォーキング」を続けてきた。「基礎基本」は講義やその試験に対応するのに成果として結実しているし、「今日の学習」はレポートの文章表現力や、議論における表現力に顕在化している。「ウォーキング」は、大学では「走り込み」にヴァージョンアップさせて、「継続」の意味を検討するために日々続けている。そして、「継続」の中から「流儀」を見いだしつつある。

私の今後の進路について
 私はこれから、本格的に知の地平線に向かって走り始めようとしている。今まではその準備であった。私は、この秋から東工大の丸山茂徳先生のもとで、自然科学から人文社会科学に至る幅広い知的訓練を受けたいと熱望している。
 ずっと先の将来のことは全く分からないけれども、どのような道であっても、私は、知的に豊かに生きていきたい。そして、美しく力強い人間でありたい。生き方の流儀のようなものを、丸山先生、今回のサマースクール2010で出会った岡田・宮脇両先生、そしてヨハネ生みの親・横瀬先生から、学んでいきたい。

ヨハネ研究の森入学を検討されている保護者のみなさまへ
 ヨハネには、様々な出会いの可能性が秘められている。学びとの出会い、本との出会い。これまでとは全く異なる価値観・世界観との出会い。人との出会い。そして、新たな自分との出会い。
 私が目指している生き方−すなわち知的に充実した生き方、美しく強い生き方−これは、なにも私一人が意識していることではないような気がする。ヨハネ卒業生、ヨハネ在学生と深いところで共有できる目標だと思っている。そのような仲間が、新入生を迎えることによって増えていくことを期待する。